今回は、薪ストーブの煙突設置方法についてお話しします。
今回も薪ストーブ博物館(フィンランドの森)さんにご協力いただきました。
煙突は薪ストーブの本体と同じぐらい重要な物になります。煙突の設置方法を間違えると事故に繋がる可能性がありますので、正しい知識を身に付けていきましょう。
煙突の設置方法は、「屋根出し」と「壁出し」の2種類ございます。
・壁出しでの設置方法についての解説
・それぞれのメリット・デメリット
・オススメの煙突設置方法
屋根出しでの煙突の設置について解説
屋根出しの煙突設置ってどんなもの?
「屋根出し」とは
「屋根出し」は薪ストーブから真っ直ぐ上に煙突を立ち上げて屋根に出す設置方法です。
屋根出しのメリット
「屋根出し」での煙突設置のメリットについて解説します。
・上昇気流(ドラフト)が強く、薪ストーブがうまく燃焼してくれる。
・ススやタール等の汚れが溜まりにくい。
・煙突掃除がしやすい。
・煙突の本数が壁出しよりも少なくて済むので、設置工事費が安くなる。
薪ストーブから真っ直ぐ煙突を取り付けると、煙も真っ直ぐ排気し、上昇気流(ドラフト)も強くなります。
薪ストーブの燃料には、この上昇気流の力が不可欠です。
こちらは屋根出し煙突の曲がり部分ですが、曲がり部分はススやタール等の汚れが溜まり易くなります。
出来るだけ真っ直ぐ煙突を立ち上げるのが理想です。
屋根に登って掃除ができるので、壁出しと比べて掃除も楽になります。
屋根出しの場合は壁出しと比べて煙突の本数が短くてよい場合が多いです。
屋根出し煙突の長さは最低でも4mは必要です。
必要な煙突の長さは機種や設置状況によって異なります。
屋根出しの デメリット
屋根出しのデメリットについてお伝えします。
・二階建ての場合、二階に煙突が貫通して煙突が邪魔になる。
・屋根に太陽光パネルを設置する場合、煙突を設置する為の離隔距離・煙突メンテナンスをする為の動線を確保するスペースが必要である。
・豪雪地帯の場合、雪が屋根で滑り落ちてきて煙突にぶつかり煙突が破損する可能性がある。
屋根出しは薪ストーブから真っ直ぐ上に煙突を立ち上げるので、二階がある場合は煙突が貫通します。
二階のスペースが煙突分だけ狭くなります。
そして、豪雪地帯の場合は雪で煙突が壊れてしまう場合もあります。
屋根に「雪割り」や「雪止め」を設置すれば解決できます。
「屋根出し」の煙突設置は「壁出し」と比べるとデメリットは少ないです。
壁出しでの煙突の設置について解説
壁出しの煙突設置ってどんなもの?
「壁出し」とは
「壁出し」は薪ストーブから屋外に煙突を出し、そこから真っ直ぐ上に立ち上げる設置方法です。
屋根からではなく、壁を貫通させて煙突を取り付けています。
壁出しのメリット
「壁出し」での煙突設置のメリットについて解説します。
・屋根に障害物があっても煙突を取り付ける事ができる。
・二階建ての場合、二階を貫通させないので煙突が邪魔にならない。
太陽光パネル等の障害物がある場合、煙突の設置が難しい事があります。
二階建ての場合、煙突は二階を通さずに済みます。
壁出しのデメリット
「壁出し」での煙突設置のデメリットについて解説します。
・上昇気流(ドラフト)が弱くなる。
・必要な煙突の本数が多くなり、設置工事費が高くなる。
・足場を組んで煙突設置をするので、設置工事費が高くなる。
・煙突にススやタール等の汚れが付きやすくなる。
・足場を組んで煙突掃除をする場合、掃除代が高くなる。(業者に頼む場合)
壁出しは横引きに煙突を設置するので、上昇気流が弱くなります。
壁出しの場合は煙の抜けが悪くなります。
上昇気流が弱くなった分を補う為に、煙突の長さを屋根出しよりも長くする必要があります。
そして、壁出しでの設置工事では足場を組んでの作業になります。
その為、屋根出しよりも壁出しの方が設置工事費は高くなります。
煙突の上から掃除をする場合、足場を組んで煙突掃除をします。煙突掃除を業者に頼む場合は掃除代が高くなります。
壁出しでは煙突が横向きになるので、屋根出しと比べて煙突内が汚れやすくなります。
オススメの煙突設置方法
可能であれば「屋根出し」での設置をオススメします。
「壁出し」でも薪ストーブの煙突は設置できますが、「壁出し」は上記のようなデメリットが多く、できるのであれば「屋根出し」での設置をオススメします。
屋根出し設置をオススメする理由
・工事費、維持費用、メンテナンス費用が安くなる。
・上昇気流(ドラフト)が強く薪ストーブが上手く機能してくれる。
・掃除などのメンテナンスがやり易い。新築でこれから家のプランをする方は、薪ストーブ・煙突を適切な場所に設置する為、家の構造を確定する前に薪ストーブ専門店に相談する事をオススメします。
↓薪ストーブ設置の注意点についてはこちら
薪ストーブの外気導入について解説 高気密住宅に設置できるの?
薪ストーブ設置工事
薪ストーブは火を使う物なので、建築基準法に沿って安全に設置しなければいけません。
薪ストーブの機種や設置状況によっては煙突の種類や長さ等は変化します。
設置は専門業者に任せた方が安心です。
薪ストーブに関する事は薪ストーブ専門店に相談しましょう。