薪ストーブの煙突トップにはどのような物があるの?
薪ストーブの煙突は本体と同じぐらい重要な物になります。
煙突の設置方法を間違えると事故に繋がる可能性がありますので、正しい知識を身に付けていきましょう。
今回は、煙突トップの設置方法についてお話しします。
・それぞれのメリット・デメリットを解説
煙突トップの種類
前回は煙突の種類や設置方法について解説しました。↓
煙突の設置で屋根を抜く部分は大きく分けて3種類ございます。
「フラッシング」、「角トップ」、「チムニーカバー」の3種類です。
それぞれの違いを解説します。
フラッシング
煙突が露出している設置方法です。
建物内に雨が入らないようフラッシングを設置します。
こちらがフラッシング部材です。↓
フラッシングは屋根の勾配によって種類が変わります。
メリット
・中古物件でも設置しやすい。
・部材費が安い。
デメリット
・コーキング材が劣化しやすい。
「フラッシング」の大きなメリットは、中古物件でも設置ができるという点です。
しかし、煙突に囲いは無いのでコーキング材は紫外線等で劣化しやすいです。
コーキング材は煙突と雨仕舞部材の接合部分に使われます。
最低でも5年に1回は屋根に登ってコーキング材の劣化確認をしましょう。
屋根に登るのが危険だと感じたらプロに任せましょう。
薪ストーブの点検・メンテナンスについてはこちら↓
薪ストーブの点検・メンテナンスをきちんとしている?手入れの方法を解説
角トップの煙突
囲いを作り、角型のトップを付けます。
メリット
・コーキング材が劣化しにくい。・ススやタール等の汚れが詰まりにくい。
デメリット
・工事の際の部材費・施工費が高くなる。・中古物件の場合、工事は大掛かりになる。
・掃除の際に取り外しが少し難しい。掃除する面積が大きい。
角トップは煙突の周りを囲いで覆っているので、コーキング材が劣化しにくいです。
中古物件の場合は工事が大掛かりになるので、角トップで施工される方はほとんどいません。
角トップ・チムニーカバーは建物の施工後に設置をするのは難しいです。
新築の場合は建物のプランを決める際に、薪ストーブの位置、煙突トップの種類を決めましょう。
設置工事の注意点について↓
新築・中古物件(既存宅)への設置工事で注意することは?
チムニーカバー
煙突周りに囲いを作り、その上に煙突を出す設置方法です。
メリット
・煙突の高さを高くする事ができる。
デメリット
・フラッシングより工事の際の部材費・施工費が高くなる。
・中古物件の場合、工事は大掛かりになる。
薪ストーブは上昇気流(ドラフト)を利用することで機能します。
薪ストーブの機種によって必要な上昇気流(ドラフト)の強さは異なります。
上昇気流(ドラフト)を強くするには、煙突の長さを長くします。
屋根から上の煙突の長さを長くするにはチムニーカバーで設置します。
例えばこちらの蓄熱型薪ストーブ「ポリン・マッティ」は強いドラフトを必要とするストーブです。
その為、煙突の長さは長く設置します。
煙突トップの部材
煙突の一番上の部材についてお伝えします。
良く使用される部材は「ラウンドトップ」、「P型トップ」があります。※メーカーの商品名で一般的な呼び名ではないかもしれません。
メーカーによって仕様や金額等が異なるので、具体的な違いは購入店に聞いてみてください。
ラウンドトップ
上部が丸みを帯びていて、煙を素早く排出させてくれます。
ラウンドトップのメリット・デメリット
メリット
・P型トップと比べると価格帯が安く、煙突掃除がしやすい。
デメリット
・P型トップと比べると雨や雪が入りやすい。
黒塗装のラウンドトップは25,000円ぐらいの金額です。※2020年5月現在
掃除をする面積が狭いので、掃除が一番楽なタイプです。
P型トップ
P型トップはカバーが付いていて雨や雪が入ってくるのを防いでくれます。
※煙を排出する穴が開いているので完璧に防ぐ物ではありません。
メリット
・ラウンドトップと比べると雨や雪が入りにくい。
デメリット
・ラウンドトップと比べると値段が高い。
P型トップはガードが付いています。その為、ラウンドトップと比べると雨や雪が入りにくいです。
P型トップは42,000円ぐらいの金額です。※2020年5月現在
煙突トップの種類についてまとめ
煙突トップはどんな種類があるのか分かりましたでしょうか?
「角トップ」や「チムニーカバー」は中古物件では難しいので、新築の場合は建物プランを決める前に薪ストーブ専門店に相談するのがオススメです。
薪ストーブの種類によって必要な煙突の本数が変わるので、薪ストーブ初心者が自分で設置をすると失敗する場合もあります。
そして煙突は薪ストーブ本体と同じぐらい重要な物です。
安全面を考えると薪ストーブや煙突の設置は専門店に頼むのがオススメです。
薪ストーブの検討をする際にこのような本があると参考になります。↓