皆さんは薪ストーブに付いているレバーの使い方をご存知でしょうか?
薪ストーブに付いているレバーは「空気調整レバー」と言い、薪の燃え方を調整するのに使用します。
就寝して朝起きると火が消えてしまっているのだけれど…
この 「空気調整レバー」 を上手く使うことで朝まで薪ストーブを暖かく保つことができます。
前回は「火の付け方・消し方」について解説しましたが、今回は空気調整レバーの使い方について解説します。
・薪の燃焼と空気調整レバーの使い方
・朝まで薪ストーブの暖かさを保つ方法
薪ストーブの燃焼について
空気調整レバーは薪ストーブの燃焼を操作します。まずは燃焼についてお話しします。
今回は、二次燃焼の薪ストーブ「オーレス」を使って説明します。アンヴィクタ社の薪ストーブ
薪ストーブの燃焼には一次燃焼、二次燃焼、三次燃焼などがあります。
薪ストーブの燃焼は薪燃料を燃やすための燃焼と煙を燃やすための燃焼があります。
一次燃焼:薪燃料を燃やすための燃焼
二次燃焼以降:煙を燃やすための燃焼
この燃焼には空気が必要で、空気を調整することで薪ストーブの温度や薪の消費具合を操作します。
空気調整レバーはこの燃焼用の空気を調整するのに使用します。
燃焼についての詳細はこちらで解説しています↓
空気調整レバーの使い方
こちらの「オーレス」は上下に2つレバーがあります。
まずは本体下部に付いている空気調整レバーの説明をします。
下部の空気調整レバーは一次燃焼の空気を調整するのに使います。
薪を燃やすための空気です。焚き付け時は全開にして空気を取り込みます。
オーレスの場合は右にレバーをやると全開になります。
焚き付け時にレバーが絞ってあると上手く燃えません。
レバーは非常に熱くなるので操作時は耐熱グローブを付けましょう。
薪ストーブの必需品アクセサリーについてはこちら
薪ストーブの温度を上げたい時は薪を追加していきます。空気調整レバーを全開にすると薪を燃焼させる空気がたくさん入るので燃える力が強くなります。
このように薪が熾きの状態になったら一次燃焼用の空気は絞っていきます。
熾きの状態を保つことで暖房能力が良くなります。
一次燃焼用の空気を絞ることでゆっくりと薪が燃焼していきます。
一次燃焼用の空気調整レバーを左側に移動します。
写真ではレバーを一番左側にしています。一番左側にすると入る空気の量が一番少なくなります。
絞る時のレバーの位置は薪ストーブの温度で変えていきます。
薪ストーブは排気温度が200度~300度が適温です。
薪ストーブの温度計を使って温度を確認し、薪の量と空気調整レバーで温度を調整していきます。
薪の状態や機種によって燃焼の具合は異なります。自分がどんな燃焼をさせたいかイメージして、レバーの位置はいろいろと試してみましょう。
過度に温度が上がり過ぎると薪ストーブ本体が壊れてしまいますので温度管理は必ず行いましょう。
温度管理についてはこちら
次に上部にある空気調整レバーの説明をします。
このレバーは二次燃焼用の空気を調整するレバーです。
排気される煙をこの空気を使って燃焼させ、より綺麗な煙を煙突から排気させます。
基本的には二次燃焼用のレバーは開けておきます。
夜寝る時など、ゆっくり薪を燃やしたい時にこのレバーを使用します。下記で寝ている間の燃し方について説明します。
朝まで薪ストーブの暖かさを保つ方法
薪ストーブは自動じゃないから朝起きると寒いのだけど…
夜寝て朝起きたら薪ストーブが冷たくなって部屋も寒くなっていたことはありませんか?
寝る前に薪ストーブを操作しておけば、朝まで暖かさを保つことができます。
※暖房能力は機種によって異なります。
操作は薪が熾きの状態になったら空気調整レバーを絞るだけです。
薪の状態や建物の造り、機種等によってレバーの調整具合は変わるので具体的にどのくらい絞るとは説明できません。
薪は密度の高い広葉樹を使いましょう。カシやナラ、ケヤキ等がおすすめです。
針葉樹は密度が低くすぐに燃え尽きてしまうので、密度が高くて火持ちのよい広葉樹を使います。
薪ストーブに適した薪についてはこちら
こちらはダンテックスという薪ストーブの空気調整レバーです。写真はレバーを絞った状態です。
一次燃焼用の空気調整レバーだけを絞る方もいますし、二次燃焼用の空気調整レバーと両方絞る方もいます。
入る空気の量を少なくする事でゆっくりと薪が燃え、朝まで保つことができます。
どんな薪の状態でどのタイミングでレバーを絞ると朝まで暖かさを保つことができるかは、ご自身で実験して感覚を掴みましょう。
空気調整レバーの使い方まとめ
空気調整レバーの使い方をご理解いただけましたでしょうか?
薪をガンガン燃したい方は空気調整レバーを開けたまま使いますし、薪の消費を抑えたい方はレバーを絞ってゆっくりと燃します。
薪ストーブの機種によっても空気調整レバーの調整方法と薪を追加する量は変わってきます。
使用されている薪ストーブでいろいろと試してみて、自分がイメージしている燃焼ができるか身に付けていきましょう。