薪ストーブを使わない時期には何をしたら良いの?
私の住む那須高原は寒いので、毎年11月から4月末までは薪ストーブを使用します。
だいたい半年は薪ストーブシーズンで、5月~10月はオフシーズンですね。
今回は、薪ストーブを使用しないオフシーズンにすべきことを解説します。
オフシーズンにすべき事
大まかに分けるとオフシーズンにすべき事は、点検とメンテナンス、掃除、薪作りです。
・薪ストーブ本体の点検、メンテナンス
・煙突の点検と掃除
・薪の保管と薪作り
具体的に何をすべきか解説していきます。
薪ストーブ本体の点検・メンテナンス
薪ストーブのどこを点検とメンテナンスすればいいのか紹介します。
灰の除去
薪ストーブを使う時には灰が2~3cmぐらい無いといけませんが、オフシーズンは灰を取り除きます。
灰があると湿気を吸ってしまい、薪ストーブ本体が錆びてしまいます。
本体内部の確認(点検)をする際も灰があると邪魔です。
薪ストーブを使う時には灰が必要になるので、灰を灰入れバケツに入れて保管しておくと良いですね。
パーツの劣化や破損の確認
薪ストーブの機種によってパーツが異なりますが、大まかに確認が必要な場所を解説します。
本体の割れ、ガスケットの劣化、バッフルプレートやロストル・レンガ等の炉内パーツの劣化、ガラスに割れが無いか、触媒の劣化具合等を確認します。
●本体やパーツの割れ・歪み
薪ストーブの温度計を無視して高温で使い続けると本体やパーツに割れや歪みがでる事があります。
本体が割れてしまうと新しく買い直した方が安くなってしまう場合が多いです。
↓高温で使用して割れた様子です。
本体が割れたまま使用するのは非常に危険ですので、使用は止めましょう。
交換できるパーツは新しい物と交換して修理しましょう。
温度管理は薪ストーブを使用するうえで非常に重要です。薪ストーブ用の温度計を使用しましょう。
●ガスケットの確認
ガスケットは薪ストーブの気密性を保つパーツですが、消耗品になります。
ガスケットが劣化していると空気調整が効かなくなっていきます。
ガスケットの劣化の確認方法や交換方法はこちらのページで解説しています。↓
●炉内パーツの確認
炉内のパーツは熱によって変形したり、割れてしまう場合があるので問題ないかどうか確認します。
【バッフルプレートの確認】
バッフルプレートは火室の上側に付いています。
バッフルプレートには直接火が当たるので、劣化していく消耗パーツです。
メーカーによってバッフルプレートの形や素材は様々で、バーミキュライトでできているバッフルプレートもございます。
燃焼に影響が出るぐらい歪んでいたり、割れてしまっているようでしたら交換が必要です。
専門店でないと入手するのは難しいので、薪ストーブ本体を購入した専門店に問い合わせてみましょう。
バッフルプレートについてはこちらで詳しく解説しています。↓
【ロストルの確認】
ロストルは炉内の薪を載せる部分を言います。変形や割れ等が無いか確認します。
こちらはかなりの高温で使用し続けてもの凄く曲がってしまったロストルです。
右側のパーツも溶けて取れてしまっています。
壊れてしまったら薪ストーブ専門店にロストルの注文ができるか確認しましょう。
【レンガの確認】
レンガは衝撃に弱くて割れやすいです。※炉内にレンガを使用していない機種もあります。
ヒビがある程度だったら問題ないですが、崩れ落ちてくるようであれば新しい物と交換しましょう。
●耐熱ガラスの確認
薪ストーブのガラスは熱には強いですが、衝撃には弱いです。
割れたまま使用するのは危険ですので、新しい物に交換しましょう。
取り外しができれば取り付けもご自身でできるかと思います。ススやタール等で汚れていたらガラスは磨いて綺麗にしましょう。
ガラス掃除方法の解説はこちら↓
●触媒の劣化確認
触媒は触媒式の薪ストーブのみに搭載されています。ダッチウエストのフェデラルコンベクションヒーターやバーモントキャスティングスのアンコール等は触媒式の薪ストーブとして人気があります。
こちらが薪ストーブの触媒です。↓
触媒も消耗パーツになるので、問題ないか劣化具合を確認しましょう。
触媒は急激な温度変化に弱く、ススやタール等の汚れが溜まると詰まってしまいます。
触媒は煙を綺麗にする役割がありますが、触媒が正常に機能していないと、上手く煙を排出してくれません。
汚れで詰まっている触媒です。↓
ただ汚れが溜まっているだけであれば掃除をして、壊れてしまっていたら新しい物と交換しましょう。
触媒についての解説はこちら↓
●本体の錆び落とし
薪ストーブは水に弱いので、水分が付くと錆びてしまいます。特に湿気が多い季節は注意が必要です。
錆があると劣化していきますので錆落としをしましょう。
天板で料理をしたりポットを置いたりすると錆が付きやすいので、日ごろのメンテナンスが重要です。
オリーブオイル等の植物性無塩油を薪ストーブ本体に塗っておくと錆びにくくなるのでオススメです。
錆の落とし方はこちらで解説しています。↓
ホーローボディの薪ストーブは錆びにくい特徴があります。↓
煙突の点検・掃除
薪ストーブの煙突は本体と同じく重要な物になります。
適切な設置と定期的なメンテナンスを怠ると、最悪の場合は火災になってしまう事もございます。
煙突が曲がっていたり抜けていたりしていないか確認しましょう。
煙突掃除は最低でも1年に1回は必要です。自分で行うのが面倒な時には安全確保の為にも薪ストーブ専門店に依頼しましょう。
こちらは薪ストーブの知識が無い方が間違った煙突の設置をして、煙突掃除もしなかったので火災になってしまった時の煙突の様子です。
ここまで汚れが詰まっていると薪ストーブも機能しませんし、火災にもなってしまいます。
薪ストーブが上手く機能しない時は、薪の状態が悪いか煙突掃除をしていない場合が多いです。
薪ストーブ博物館(フィンランドの森)さんに煙突掃除を頼んだ時の様子をレポートしています。↓
そして、3年に1回は屋根の上に登ってコーキング材の確認が必要です。
コーキング材が劣化していると雨漏りに繋がります。
慣れていない方が屋根の上に登るのは危険です。お金はかかってしまいますが、業者に頼んだ方が安心です。
慣れていない方が屋根の上に登るのは危険です。お金はかかってしまいますが、業者に頼んだ方が安心です。
薪の保管と薪作り
薪作りは時間と労力がかかるものです。原木から薪作りを始めると、薪ストーブに適した薪になるまで約2年もかかります。
薪を購入する方は薪作りをしないと思いますが、余った薪の保管は必要です。
家の中で放置しておくと虫が湧いてくる場合があるので、外で薪棚や薪小屋で保管します。
雨の当たらない風通し良い場所で乾燥させましょう。
薪ストーブに適した薪や薪作りについてはこちらで解説しています。↓
薪ストーブのオフシーズンにやる事まとめ
薪ストーブを快適に使うためには、オフシーズンにやるべきことをやってしまいましょう。
シーズン中は薪ストーブ専門店も忙しくなるので、なかなか煙突掃除の予約が取れなかったり注文したパーツが届くのに時間がかかったりします。
冬に薪ストーブが使えない状態だと寒い思いをしてしまいますね。
特に煙突掃除は火災にも繋がる重要な作業なので、怠らずにしっかりと行いましょう。
自分自身で行うのが面倒な場合は、お金はかかりますが専門店に依頼しましょう。
薪ストーブが適した状態になっているのか不安な場合は、事故を起こさない為にも1度専門店に点検してもらった方が良いです。
薪ストーブはアナログな暖房器具で手間暇かけて使用する物です。
ボタン一つで使えるものではないので、使っていくうちに愛着が湧くと思います。
オフシーズンの間にしっかりと点検やメンテナンスを行って大事に使用していきましょう。