今回は、「薪ストーブのレビューを参考にして機種選びをする方」に向けてお話しします。
薪ストーブの購入で機種を決める時には注意が必要です。その理由と薪ストーブの選び方について解説します。
薪ストーブの失敗しない選び方って…?
・薪ストーブを選ぶ考え方(著者、新築のTさん、住宅街のKさんの場合)
・ネットのレビューだけで機種選びをしてはいけない事について
薪ストーブレビューの注意点
薪ストーブを購入する際は、ネットで薪ストーブのレビューを見て機種はどれが良いか検討をすることがあるかと思います。
ネットのレビューをだけ見て薪ストーブの機種を決める時は注意が必要です!
薪ストーブのレビューに注意が必要な理由は「使う人・建物の構造・用途等によって必要な薪ストーブが変化する」からです。
具体的な理由は下記で解説します。
薪ストーブの選び方・考え方
薪ストーブはメーカーや機種によって特徴が大きく異なります。薪ストーブはライフスタイルに合わせて選ぶのが基本です。
薪ストーブ機種選びの考え方を説明します。 著者の私、新築のTさん、住宅街のKさんの場合を例に解説します。
著者の薪ストーブの選び方
薪ストーブの機種を選ぶ際は、まずご自身が薪ストーブに何を求めるかを考えます。
・家は吹き抜けのロフトで2階建て。部屋全体を薪ストーブで暖めたい。
・家族みんなで使用する。(小学生1名、中学生1名、妻)
・揺れる炎を見て楽しみたい。
・天板と炉内で料理を楽しみたい。
・不要な薪が手に入るので針葉樹と広葉樹の両方を使いたい。
私が薪ストーブに求めるのはこのような事です。この条件に合う薪ストーブの機種を考えていきます。
まずは「家は吹き抜けのロフトで2階建て。部屋全体を薪ストーブで暖めたい。」という条件に合う薪ストーブを考えます。
「吹き抜けのロフト・部屋全体を暖めたい」場合は強い火力の薪ストーブが必要です。
強い火力の薪ストーブを挙げていきます。
火力の強い薪ストーブ
・ピーキャン「THE MEGA」・ピーキャン「ネクターマークⅡ」・アンヴィクタ「スドン15」・ヨツール「F600」・クアドラファイア「エクスプローラーⅢ」
・ハンター「ヘラルド14」・ホンマ製作所「HTC-90TX」・ホンマ製作所「バルカン AD-3600」・ダッチウエスト「エンライト FA249」・バーモントキャスティングス「デファイアント」・ハーマン「オークリーフ」等
他にも火力が高い薪ストーブはありますが、私がパッと思い浮かぶ火力が高い薪ストーブを挙げてみました。
吹き抜けのロフトで部屋全体を暖めるのに合う条件であれば火力が弱い機種だと後悔する可能性がございます。
次に、「家族みんなで使用(小学生1名、中学生1名、妻)する」場合を考えます。
いろんな薪ストーブを使って慣れている私であれば、どの機種でも大丈夫です。
しかし、家族みんなで使う場合は操作方法やメンテナンスが簡単な機種が良いです。
操作方法やメンテナンス方法が比較的簡単な機種を挙げていきます。
扱い方が比較的簡単な薪ストーブ
・アンヴィクタ全般・モルソー全般・ホンマ製作所全般・クアドラファイア全般・ハンター全般・ヨツール全般・他
このようなメーカーは誰でも操作やメンテナンスが比較的簡単です。
次に「揺れる炎を見て楽しみたい。」という条件で考えます。
炎を見て楽しむのにはガラスが大きい機種が適しています。
ガラスが大きい機種を挙げていきます。
ガラスが大きい薪ストーブ
・アンヴィクタ「モンドール」・アンヴィクタ「イタヤ」・アンヴィクタ「スドン15」
・ヨツール「F400」・ホンマ製作所「バルカン AD-3600」・クアドラファイア「エクスプローラーⅢ」・ピーキャン「THE MEGA」・ピーキャン「ネクターマークⅡ」
・モルソー「5660CB」・ハンター「ヘラルド14」・エコチョイス「WS22」等
炎が良く見える薪ストーブはこのような機種から私は選んでいきます。
次に「天板と炉内で料理を楽しみたい。」という条件で考えます。
天板で料理や加湿を取りたい方は天板がどれくらい熱くなる機種なのか注意が必要です。
対流式の薪ストーブは天板が過度に熱くならない機種が多いです。
対流式の薪ストーブは天板を100度以上に保つのが難しい機種が多く、天板で料理や加湿を取るには向いていません。
炉内で料理をするには、クッキングスタンドと鍋やフライパンが入る大きさの薪ストーブが必要です。
クッキングスタンドはサイズや形が様々あります。
天板も料理ができるくらい熱くなり、炉内が大きくて料理がしやすい機種を挙げていきます。
天板で料理が可能な薪ストーブ
・アンヴィクタ「スドン15」・ホンマ製作所「バルカン AD-3600」・クアドラファイア「エクスプローラーⅢ」・ピーキャン「THE MEGA」・ピーキャン「ネクターマークⅡ」・ハンター「ヘラルド14」・エコチョイス「WS22」・ハーマン「オークリーフ」等
他にもたくさん料理ができる機種はあります。
最後に「不要な薪が手に入るので針葉樹と広葉樹の両方を使いたい。」というポイントで機種を考えます。
機種によっては針葉樹の使用が禁止されている薪ストーブもあります。
針葉樹は特徴を理解し正しい使い方をしないと薪ストーブ本体を壊してしまう場合があります。
メーカーとしては正しい使い方をせずに壊されてしまうと嫌なので、針葉樹の使用を禁止している場合が多いです。
正しい使い方をしていれば針葉樹を使ってもOKな機種を挙げていきます。
正しい使い方をしていれば針葉樹を使ってもOKな機種
・アンヴィクタ全般・ピーキャン「THE MEGA」・ピーキャン「ネクターマークⅠとⅡ」・クアドラファイア「エクスプローラー各種」・ハンター全般・他
触媒が付いている薪ストーブの場合、焚き付け以外で針葉樹を使うと触媒を壊してしまうので注意しましょう。
・強い火力・扱いやすさ・大きいガラス・天板と炉内で料理・針葉樹もOK
私の薪ストーブを選ぶポイントをまとめると上記のようになります。私にとってこの条件に最も合った薪ストーブが失敗しない選び方です。
は上記の条件を考慮して、最終的に私アンヴィクタの「スドン15」を購入しました。
しかし、上記の条件に合っていない人にとってはアンヴィクタ「スドン15」を買ったら失敗するかもしれません。
薪ストーブのレビューは、自分と同じ状況に近い人のレビューでないと参考になりません。
次は、最近薪ストーブを導入した新築のTさんの薪ストーブを選ぶ考え方を紹介します。
新築Tさんの薪ストーブの選び方
Tさんの失敗しない薪ストーブの選び方・考え方を書いていきます。
・建物は2階建て。1階のリビング(16畳ぐらい)を暖めたい。
・新築で気密性が高いので外気導入を取り付けられる機種。
・天板で料理ができる。
Tさんは薪ストーブにこのような条件を求めていました。このような条件に当てはまる機種を考えていきます。
「1階のリビング(16畳ぐらい)を暖めたい。」という条件で機種を考えます。
新築で16畳ぐらいのリビングを暖めたいぐらいでしたら火力はそれ程強くなくて大丈夫そうです。
狭い空間で大き過ぎる(火力の強い)薪ストーブを使う場合はデメリットもあります。薪ストーブのサイズの選び方はこちらで解説しています。↓
サイズがそれ程大きくない薪ストーブを挙げていきます。
サイズが小さ目な薪ストーブ
・ヨツール「F602」・ホンマ製作所「MS-403TX」・ハンター「ヘラルド8」・ダッチウエスト「プリマス」
・モルソー「3142CB」・スキャン「66」・バーモントキャスティングス「アスペン」・夢ハウス「オーロラスマートミニ」等
このような機種はサイズが小さく火力も弱めです。
Tさんは新築で気密性が高い建物に薪ストーブを取り付けます。
気密性が高い建物の場合、外気導入を薪ストーブに取り付ける必要があります。
外気導入の必要性についてはこちらで解説しています。↓
外気導入の取り付けができる薪ストーブを選ばないといけませんね。
外気導入の取り付けができる機種を挙げていきます。
外気導入の取り付け可能な薪ストーブ
・アンヴィクタ「スドン10」・アンヴィクタ「モンドール」・アンヴィクタ「ブラッドフォー」
・モルソー「7110CB」・モルソー「7443」・モルソー「3142CB」
・ネスターマーティン「S33」・ホンマ製作所「HTC-50TX」・ハーマン「オークリーフ」等
他にも外気導入を取り付けられる機種はあります。新築で気密性が高い建物に薪ストーブを入れる方は外気導入を取り付ける事ができるか販売店に聞いてみましょう。
新築・中古物件への薪ストーブ設置についてはこちらでも解説しています。↓
最後に「天板で料理ができる。」という条件を考えます。天板で料理ができる機種は上記で載せたので省略します。
薪ストーブに求めるTさんのポイントまとめ
・火力は強くなくていい・外気導入が取り付け可能・天板で料理ができる
Tさんは上記の条件で薪ストーブを探し、最終的にはネスターマーティンの「S33 B-TOP」を購入しました。
ネスターマーティンは通常の「S33」は天板で料理はできませんが、「S33 B-TOP」は天板で料理ができるようになっています。
こちらで「S33 B-TOP」設置の様子をレポートしています。
Tさんは「S33 B-TOP」を気に入っていますが、別の方からすると違う薪ストーブの方が良い場合もあります。
建物の状態・薪ストーブに求める条件が変わると必要な機種は大きく異なります。
次に住宅街に住むKさんの薪ストーブの選び方・考え方を紹介します。
住宅街に住むKさんの薪ストーブの選び方
Tさんの失敗しない薪ストーブの選び方・考え方を書いていきます。
・住宅街なのでできるだけ綺麗な煙を排出する機種。
・2階建て。吹き抜け建物でも部屋全体を暖められる火力。
・自分自身で薪作りをするので薪作りが楽になる機種。焚き付け時に針葉樹もOKな機種。
住宅街では薪ストーブを使用するのに注意が必要です。
正しい使い方をしていれば薪ストーブはほとんど煙が出ないようになっていますが、適切でない使い方をして近隣に迷惑をかけてしまう方もいます。
Kさんは住宅街にお住まいなのでできるだけ綺麗な煙を排出する機種をご希望でした。
・ダッチウエスト「フェデラルコンベクションヒーター各種」・ダッチウエスト「セコイア」
・クアドラファイア「エクスプローラー各種」
フェデラルコンベクションヒーターやセコイアは触媒が搭載されていて、より綺麗な煙を排出できます。
こちらは薪ストーブを使用中の煙突の写真です。正しい使い方で適切な薪を燃せば煙はほとんど煙突から出ません。
Kさんの家は2階建ての吹き抜けで部屋全体を暖められる機種が必要でした。
火力の強い機種については上記に書いたので省略します。
Kさんは自身で薪作りを行います。薪ストーブに入る薪の長さが長いほど薪作りは楽になります。
薪作りの方法はこちらで詳しく解説しています。
炉に比較的長い薪が入る機種
・ピーキャン「THE MEGA」・ピーキャン「ネクターマークⅡ」・アンヴィクタ「イタヤ」・クアドラファイア「エクスプローラーⅢ」
・ハンター「ヘラルド14」・・ホンマ製作所「バルカン AD-3600」等
・綺麗な煙を排出・強い火力・針葉樹もOK・長い薪が入る
Kさんは最終的にクアドラファイア「エクスプローラーⅡ」を購入されました。
エクスプローラーは四次燃焼で綺麗な煙を排出し、正しい使い方をしていれば針葉樹もOKです。
Kさんは冬でも半袖で過ごせるぐらい部屋がポカポカとのことです。
建物の構造・薪ストーブに求める事がKさんと似ているのであれば、Kさんのレビューは参考になります。
広葉樹のみを使うのであれば触媒式の「フェデラルコンベクションヒーター」を購入していたかもしれません。
ネットのレビューだけで機種選びをしてはいけない
薪ストーブのレビューはどんな機能があるのかは非常に参考になります。
しかし、薪ストーブは使う環境等によって機種の合う・合わないの差が激しいです。
レビューを参考にするのであれば、できるだけ自分の環境に合う方の感想を参考にしてみてください。
薪ストーブは建物の状態・使う人・用途・求める事によって必要な機種が変わります。
ネットの情報だけで薪ストーブを選んでしまうと失敗する可能性が高いです。
薪ストーブ専門店でもできるだけいろんなメーカーの薪ストーブの取扱いをしている専門店の方が、自分に合った機種を見つけやすいです。
薪ストーブを購入する時はいろんな機種の特徴を研究し、ライフスタイルに合った機種を選びましょう。
・建物の構造&暖めたい部屋を考える
・誰が薪ストーブを操作するか考える(操作性・メンテナンスのしやすさ)
・薪ストーブにどんな機能を求めているか考える
このような本を読むといろんな機種が紹介されていて勉強になります。